のだめカンタービレ最終楽章 前編

年末年始休暇の初日は、朝一でのだめカンタービレ最終楽章 前編を鑑賞。ネタばれになるのでもちろん何もいいませんが、笑って泣けるよい映画でした。スクリーンだとオーケストラの音楽が迫力あって素晴らしいです。終盤の展開は後編どうなっちゃうんだろうという期待と不安を煽ります。
後編は4月ということで、楽しみ。

スラムドッグ$ミリオネア

なんといっても、インドの色彩がいいです。

なぜ、スラムで育った教養のない青年が次々とクイズに答えられるのか、主人公・ジャマールが過去をなぞっていく展開をずっとドキドキしながら観てました。格差社会や幼児虐待など目を覆いたくなるような現実があって、その中をすりぬけ、生き抜くスリル感。インドの実情と底知れぬエネルギーを伝えてくれます。

エンターテイメントの全部の要素をうまく取り込んだ、スマートでかっこいい映画。インド・ムンバイの映画産業のことを総称して「ボリウッド」というそうですが、この映画もボリウッドが協力して作られたそうです。新しい映画を観た、そんな気分です。

ROOKIES -卒業-

朝イチの上映目指したら映画館の開館前に着いてしまった。一足先に近所の小学生も並んでいました。
ROOKIESは青春群像劇の真骨頂。もともとスポ根好きなので、クサくて、笑えて、ベタに泣かせるのは大好き。たとえお決まりのストーリーであっても、感動の本質的な部分を素直に感じ取れればよいのです。楽しかったです。

御子柴の存在が抜群だなぁ…。

ダージリン急行

cover「ダージリン急行」(ウェス・アンダーソン監督)

絶交状態にあった3兄弟が、長男フランシスの呼びかけでインド北西部を走るダージリン急行に乗り合わせて旅をし、絆を深めていく。くすっと笑ってしまうセンスの良いユーモアたっぷりのロードムービー。3人の個性的なキャラクターは兄弟としてみるとあまりにでこぼこだけど、キャスティングの妙が冴えわたってます。

時に真剣なテーマもブレンドしていて、さっきまで笑ってみてたのに急に真剣になっちゃったり、そうかと思うとまた緩くなったり。その空気感がスーッと入ってきて心地よい。至る所に、あ〜、なるほどね!というアイデアがちりばめられています。劇的な展開など全くないのに、なんでしょうねこの心地よさは。
インドの風景が素晴らしく、土着的な薫りやカラフルな演出の背景には美術・小道具などのとてもつもないこだわりがあります(特典映像も見いってしまった)。脳裏にしっかり残る印象的なシーンが多かった。
今まで感じたことのない雰囲気を持った映画でした。とても気に入りました。

ヴェニスの商人

cover「ヴェニスの商人」(マイケル・ラドフォード監督)

シェークスピアの代表作。喜劇作品ですが、ユダヤ人がいわれなき迫害を受け、その無慈悲に対するすさまじき怒りの感情が圧倒的で、僕には悲劇にうつった(シェークスピアは当時のユダヤ人差別を批判したという見方もあるそうです)。それもユダヤ人金貸し・シャイロック役のアル・パチーノの演技が際立って素晴らしいからだろうなぁ。
出てくる登場人物がそれぞれとても魅力的。人間や社会や宗教の表裏を鋭く描写するストーリー展開には、シェークスピアという人が凄い作家であることが理解できたし、衣装やセットもよかった。いい映画でした。

ホテル・ルワンダ

cover「ホテル・ルワンダ」(テリー・ジョージ監督)フツ族とツチ族の民族闘争が耐えない中部アフリカの小国ルワンダ。1994年の「ルワンダ紛争」で、フツ族過激派はツチ族の大虐殺をはじめる(100日の間に約100万人のツチ族と穏健派のフツ族が殺害されたらしい)。ホテルの支配人を勤める主人公・ポール(フツ族)は、妻タチアナがツチ族であることから家族だけでも救おうと考えるが、集まってくる難民をみているうちに心が変わり、支配人として築き上げてきたコネクションをフルに使い、財を投げとあらゆる手を使って難民をホテルに匿って、1200人以上の命を救った…という実話に基づいた映画。
アフリカは先進国からの関心が薄い、と言われますが、まさにそんな感じ。資源のない小国の内紛からは撤退する。あとは見て見ぬふり。何も知らない自分を恥じるような、国際情勢のリアリティがあって、ショックです。

CHEチェ 39歳 別れの手紙

日曜日とファーストデー(毎月1日)割引が重なって、朝9時の長野グランドシネマズのチケット売り場は長い行列に。ほとんどが20世紀少年とマンマ・ミーアのお客さんのようで、「CHEチェ 39歳 別れの手紙」はわずかに15人ぐらいの観客でした。

前日に「チェ・ゲバラ伝」をようやく読了したところなので、とても悲しい気持ちの中、その伝記の内容を映像にクロスしていくような感覚で2時間半を過ごし、チェの壮絶な死を迎えました。前回同様、過度の演出はなく、淡々と映像が流れていきます。そこがまた、この映画のよいところでしょう。
キューバ革命を経て大きな名声を手に入れながら再び革命の地に飛び込んだ稀有の革命家。その崇高で純粋なロマンティシズムに心打たれます。

この映画でも感じたラテンアメリカのこと、それから最近関心の高い中東問題などでもそうですが、それぞれの立場で物事を見てとらえるということが大切だと強く思いました。

「CHEチェ 28歳の革命」のエントリーでも少し触れましたが、この映画を見る前に予習しておくのをお勧めします。「CHEチェ 28歳の革命」はバックグラウンドをよく知らないまま観たのですが、そのあと「チェ・ゲバラ伝」を熟読して理解が深まりました。キューバをはじめラテン・アメリカ諸国の歴史、フィデル・カストロあたりは押さえておくとよいと思います!

モーターサイクル・ダイアリーズ

cover「モーターサイクル・ダイアリーズ」(ウォルター・サレス監督)
映画「CHEチェ 28歳の革命」を見てから、チェ・ゲバラの生涯を「チェ・ゲバラ伝(三好徹著)」などで追っています。彼の歴史とラテン・アメリカの歴史を学ばない以上、映画も理解できそうにないので。しかも第二弾「39歳 別れの手紙」は今週末に公開されるので、かなり急ぎ足でページをめくっているところ。国の名前と位置がなかなか一致しない…。
「モーターサイクル・ダイアリーズ」は、医学生時代チェ・ゲバラが、友人アルベルトと1台のバイクで南米を縦断した日々をつづるというストーリー。この旅を通じて、ラテン・アメリカの現状を目の当たりにし、革命家チェ・ゲバラの土台が築きあげられていくのがなんとなく伝わってきます。出会う人々と心を通わせる姿に心打たれます。
知れば知るほど興味がわいてきます。

CHEチェ 28歳の革命

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今日公開の「CHEチェ 28歳の革命」観てきました。キューバという国やカストロ、ゲバラについて全く身近には感じないし、関心も薄かったのですが。予告編を見て急に興味がわきました。
こういう映画って、どのぐらい集客するんだろうと思ったけど、初日の初回からガラガラでしたけど…。

なぜ、ゲバラが20世紀最大のカリスマと呼ばれるのか、この映画を見て納得。思想やゲリラという手法等については勉強不足なんで是非論は置いといて、「革命家」という威圧的・制圧的なイメージには程遠い思慮深い佇まいや勤勉さ、戦死者・負傷者・民間人への配慮、規律を重んじる統率力、いずれもゲバラという人間が周囲から尊敬され、革命のアイコンたらしめる強い吸引力を感じることができます。弱い人間の立場で物事を見、愛情にあふれ、真っすぐで、見ていて素直に“かっこいい!”と思えました。

映画そのものも、余分に脚色することなく、わりと淡々と進んでいきます。NYの演説シーンが多く差し込まれているせいか、ドキュメンタリー風にも見えます。ゲバラそっくりに見えてしまうベニチオ・デル・トロの演技は本当に素晴らしいです。
まぁ、予告編で感じるようなエキサイティングな内容を期待すると肩透かしになると思います(実は開始10分で眠気が襲いました)。エンターテイメントで観る感じではないですし、それからある程度の予習は必要かもしれません。

もうちょっと勉強して、続編となる「39歳 別れの手紙」も観たいと思いました。

K-20 怪人二十面相・伝

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ハリウッドぽさもあって、娯楽映画として純粋に楽しめました。面白かったです。

俺たちフィギュアスケーター

cover「俺たちフィギュアスケーター」(ウィル・スペック;ジョシュ・ゴードン監督)
“男子フィギュアスケートシングルズ界のツートップ、セクシー・マッチョなチャズ・マイケル・マイケルズと、繊細で純情な天才美青年ジミー・マッケルロイ。常にしのぎを削ってきた2人は、同着1位の表彰台で派手にケンカを繰り広げ、栄光のスポットライトから一転、どんぞこまっしぐらの大転落。そんな2人がトップの座への返り咲きを賭けて選んだ究極の手段---それは、男同士のペア・フィギュア!”
というコメディ映画にありがちなハチャメチャな設定。そもそもチャズは“セクシー・マッチョ”のわりに太ってる体型だし、ジミーだって美青年とはいいがたい…。最初から最後までそんなつっこみどころ満載で「バカバカしい〜」とか「くだらねぇ〜」とかいいながらも、腹の底から笑ってしまう内容で、痛快でした。スポ根な展開なのもよかった。

相棒

GW公開映画の動員ピークは過ぎ、マジックアワーの初日ということもあったのかもしれないけど千石劇場は閑散としておりました。水谷豊はいいですねぇ。観客のほとんどがおばちゃまだったのもうなづけます。ストーリーとしてはやや詰め込みすぎな感もあって突っ込みどころも多かったですけど、映画も相棒もライトユーザーな自分にとっては楽しめました。

それでもボクはやってない

cover「それでもボクはやってない」(2007年/周防正行監督)
法廷モノはいろいろ観ましたが、これはもう、大傑作でした。周防監督が3年かけて徹底取材したそうですが、いつ自分がそういう立場になってもおかしくないであろう痴漢冤罪という恐怖の災難、ゆがんだ社会と権力、裁判所・裁判制度の実態といったことが客観的に細かく描写されていて、驚きと絶望と空虚感とスリルの連続。147分という時間はあっという間。リアリティあふれる描写は息つく暇をあたえてくれませんでした。
痴漢の冤罪なんて、死んでも遭遇したくない状況に直面したとき、「自分はやってない」と主張して乗り切ろうとするパワーってどんなに大変なものか…、いや、むなしすぎて乗り越えられないかも。何回も大きなため息がでました。
理不尽だけど目をそらすことができない現実であり、怖い映画。だけど周防監督のすごいのは、映画としてまとめあげるエンターテイメント性ですね。

ゆれる

image「ゆれる/西川美和監督)
劇場で観たかったのにすっかり見過ごして、せっかくレンタルに出てきたのに近所のビデオ屋には1本しか置いてなくていつも貸し出し中だったので、思い切ってDVDのソフトを買いました。映画のソフトを買うのは、中学時代に「プロジェクトA(ジャッキー・チェン)」のレーザーディスクを買って以来です…。
期待に違わぬよい映画でした。お互い信じあっているはずの兄弟の間にある愛情、摩擦、確執、嫉妬…、さまざまに揺れ動く心理描写が舞台となる吊り橋を軸に見事に描かれてますね。見ている間も、見終わってからも、あのときの兄弟の心理ってどうだったんだろう?って振り返って考えてしまいます。人間ドラマとしての感動だけでなく、サスペンスとしてのドキドキ感もあって、最後まで目が離せませんでした。最後のシーンは、特に良かった…。

メタル侍

cover朝、会社にきたらキーボードのうえに一枚の新聞記事切抜きが…。「東映とコロムビアミュージックエンタテイメントがインターネットで配信する時代劇映画製作で提携した。(中略)タイトルは「メタル侍」で京都・太秦(うずまさ)で撮影した」。へヴィメタルギタリストとしての裏の顔(?)をもつ外国人浪人が、ギターを使った技を繰り出して悪者を懲らしめるというストーリーらしい。
メタル侍というか、「KISS侍」だよなコレ。名前が「松平出洲之進」って、「KISS」と「デス」がへヴィメタルの代名詞ってのは普遍的なのね。まぁたしかにわかりやすいんだろうけど。ギターを使った技っていったいなんだ?メロスピ系の敵がきたら敵わないかもねw

映画「アルゼンチンババア」の主題歌はタテタカコ

cover3月24日公開予定の映画「アルゼンチンババア」の主題歌は、長野が誇る歌い手・タテタカコさんが歌う「ワスレナグサ」(シングル/3月7日発売)。映画そのものもすごく気になるのですが、タテさんが歌うということでなおさら興味深いです。「アルゼンチンババア」のキー・ビジュアルである奈良美智さんのイラストがジャケット。なお、アルバム「イキモノタチ」 は3月20日発売だそうです。

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ダンス・オブ・ダスト

image「ダンス・オブ・ダスト/2001年イラン/アボルファズル・ジャリリ監督)
我が家ではレンタルビデオを借りる際、パートナーの好みでイランとかフランスの映画も一緒に借りることが多いです。意味のわからない映画も多いんですけど、イランのは国のお国柄とか事情とか社会情勢がリアルに描かれている感じがして、ストーリーはともかく見たあとに強烈に印象に残る映画が多いんですね。今回借りた「ダンス・オブ・ダスト」も“意味わからない度”はいままでで一番でした。75分という短い映画なのですが、冒頭から「この映画は監督の意向により字幕がありません」なんていう字幕がでて、なんだよそれって感じです。ただ、本編はほとんどセリフらしいものがなく、言葉がわかってもわからなくてもそれほど捉え方に差はないと思われ。それにしてもストーリー展開がまったく意味不明で、最後まで何がなんだかわからなかった。75分がやたら長く感じた。良く言えば観客に解釈をゆだねるということになるんでしょうけども…。でも不思議と、見終わったあとに「見なけりゃよかった」とはまったく思いません。どの映画でも。この映画も映像は美しいし、主人公の少年の表情は非常に豊かで、切ない。いつも強烈なインパクトを残すイラン映画。なんかマジックが隠されてる気がします…。

スウィングガールズ

image「ブラス!」とか「スクール・オブ・ロック」とか楽器系の映画が結構好きなので前から気になっていた映画。
夏休みの補習クラスの女子生徒たちが、補習をさぼる口実で高校野球を応援する吹奏楽部へ弁当を調達するも、炎天下のダラダラ道中で弁当が腐ってしまい、それを食べた吹奏楽部員が体調を崩してしまった。唯一弁当を食べなかったダメ部員男子・中村が補習クラスを率いて吹奏楽をやらせようとするも、人数が足りないので吹奏楽ではなくビッグバンドのJAZZをやることに。次の試合まで一週間。楽器など全くできない生徒たちはいったい…。

一週間足らずでビッグバンドなんてありえないでしょ…と率直に観ていて感じたのですが、そういう展開になるであろう仕掛けはこの映画の最初からあったのだ。ちょっとした大げさで非現実的なエピソードの積み重ねがいい意味での作り込み感を生み出して、ありえないと思っていたラストへ導いてます。元気たっぷりの「Swing Girls(And A Boy)」のはじけっぷりが心地よかったです。見終わったあと非常に爽快な気分になったのですが、日が明けてもあの楽しい演奏がアタマの中に残っています。

THE 有頂天ホテル

coverここのところ自分的にありえない夜更かしの連続で眠気もかなり強いのですが、どうしても「THE 有頂天ホテル」は劇場で観たかったので強引に時間を作って行く。長野で列を作ってまで映画観るなんて初めてかも…。劇場行きたかった理由のひとつはパンフレット。「ラヂオの時間」も「みんなのいえ」も良かったし。今回もよい出来だと思います。映画のほうは相変わらずの「密室ドタバタ劇」で三谷作品らしい大技小技入り乱れたユーモア溢れる作品でした。キャスティングが豪華すぎ。その中でもシリアスなYouにグッときました。役所広司は最高だね。

ビッグ・フィッシュ

cover「ビッグ・フィッシュ」(2003年アメリカ/ティム・バートン監督/ユアン・マクレガー主演)
「シザー・ハンズ」や「スリーピー・ホロウ」など、一級の映画を作り続けているティム・バートン監督の作品。個人的にファンタジー映画って好きじゃないんだけど、意外とこの監督の作品は観ていることに気づいた。(「マーズ・アタック」とか理解できなかったけど…。)
自分の人生を壮大に語り続けるエドワード・ブルーム。しかし、魔女や巨人が登場するホラ話のようなストーリーの数々を、息子のウィルは信じることができない。父を非難しながらも「本当の父さんをみせてほしい」と願うウィル。すれ違ったまま過ごすうち、父の容体が悪化。死期が近づいたそのとき、葛藤のなかにいる息子は…。

父の若かりしころの再現シーンの数々は少々苦痛だったけど、ラストは空想と事実と真実が絶妙に絡み合っていく見事な結末!
スティーブ・ブシェミって好きだなぁ。

涙女

cover「涙女」(2002年カナダ・フランス・韓国/リュウ・ビンジェン監督/リャオ・チン主演)
北京で暮らすグイは、不法DVDを売ってわずかな稼ぎを家に持ってかえるが、だらしない夫が麻雀で負けた金に使ってしまう、そんな毎日。ある日夫は麻雀仲間とケンカして傷害を負わせてしまい刑務所行きに。保釈金を払う金も、怪我を負わせた相手への治療代も全くないグイは、田舎に戻って友人から「葬式の泣き女」の仕事を始める…。
冠婚葬祭って国によって違うし、同じ国でも地方によって形式は様々。「泣き(哭き)女」とは、葬儀での悲しい気持ちを泣くことで表現する儀式として行い、報酬やチップを貰う仕事らしい。文化の違いに観ているこちらが戸惑うが、まぁその違いを観ているだけでも面白いし、実際その光景はちょっと滑稽なものだった。物語はグイが不甲斐ない夫を刑務所から出所させるために金を稼ぐのだが、最後は彼女の孤独さが浮き彫りになる結末に。ニュースなどで触れる機会が増えた中国文化の断片を、登場人物を通じて垣間見ることができる映画です。

死ぬまでにしたい10のこと

cover「死ぬまでにしたい10のこと」(2003年スペイン・カナダ/イザベル・コヘット監督・サラ・ポーリー主演)
優しい夫と2人の子どもを育てている23歳のアンに突然降りかかった「ガンで余命2、3カ月」の宣告。アンは誰にもそのことを告げずに、ノートに死ぬまでにしたい10のことを書き留め、実行していくことで前向きに残りの人生を生きていく、というストーリー。愛する家族へ愛情をたっぷりと注ぎ込み自分がいなくなったあとのことをちゃんと考えながらも、平凡で取り柄のない生活から脱しようと浮気をして利己的に過ごしたりと、健気で一生懸命生きていく姿がうまく描かれている。美しい映像の中で等身大の演技をみせる主演のサラ・ポーリーが抜群によい。周りを固める夫役のスコット・スピードマンや母親役のデボラ・ハリーも素晴らしいです。浮気相手の存在感が希薄だったりして興ざめする場面もなきにしもあらずでしたが、あまり悲劇的に描かれていないところがこの映画の良さなんでしょうか。★3つ。

のび太の結婚前夜

coverたまたまチャンネルを回していたら大人ののび太がでてたので何だろうと思って見た。もう何年もテレ朝でやってるドラえもん観てなかったし、「おぉ、ドラえもんもついに大人時代のやってるのかー?」なんて勘違いも甚だしい…w。
「のび太の結婚前夜」という映画らしい。そのまま最後まで観てたのですが気がついたら頬に涙が…。のび太もジャイアンもスネ夫も皆かっこいい(見た目じゃなくてね)。ジャイアンがのび太にかけた言葉としずかちゃんのお父さんの言葉にジーンときました。ドラえもんに頼らずにがんばろうと決意する姿が涙ぐましい 「帰ってきたドラえもん」並によかったです。やっぱいいねぇドラえもん。
ふと、こんなの使っててごめんなさいって思いました。

TAXI NY

coverTAXI NY(2004アメリカ、ティム・ストーリー監督、クイーン・ラティファ、ジミー・ファロン出演)」
タイトルだけで親近感がわくというか気になる映画…。リュック・ベッソンの「TAXi」のハリウッド版リメイクだそうです。サイトみてもいまいち面白そうじゃない感じなのですが、ネット見てると意外と評判もいいみたいなんでいつかレンタルでたら観てみようかな。まぁ、でかくて高級なセダンの改造車ってそれだけでちょっと拒絶反応なのですが…(イタリアいったとき、ベンツのタクシーに乗ってた若い運転手が無茶苦茶乱暴運転だったので)。
車はしょぼくてボロボロだけど、エンジンだけすごいとか、そういうのが好きだなぁ…。

MIND GAME

cover「MIND GAME(2004年日本/湯浅政明監督・ロビン西原作)」
会社の先輩から借りました。ロビン西の同名コミックを、「クレヨンしんちゃん」などで有名なアニメーター・湯浅政明が脚色・監督、STUDIO4℃が制作した長編アニメーション。アニメーションってあまり見ないんですけど、こんな斬新な映像ははじめてでかなり衝撃的でした。驚きの連続です。実写とアニメが組み合わさり、しかも絵はコロコロとタッチがかわっていく。主人公の心理状態の浮沈を表す描写も面白いです。アニメーターの「これでもかっ!」っていうハイテンションなエネルギーを感じます。ストーリーとメッセージはシンプルですが、有無を言わせず突き進んでいく場面展開と、そのコロコロ変わる絵面がうまくシンクロして、難しいことは考えなくてもわかるからとにかくこの絵を観ながら楽しむしかない、って思わせる感じがしました。

ジャック・ブラック最高!

cover「スクール・オブ・ロック(2004年アメリカ/リチャード・リンクエイター監督、出演:ジャック・ブラック)」
バンド仲間から見放され社会からドロップアウトしていたミュージシャンのデューイは、友人になりすまして規律の厳しい名門小学校の代用教員として働くことに。楽器ができる生徒とバンドを組み、バンドバトルに出場して優勝を目指す…というのがあらすじ。ダメ教師が学校に新風を起こし、「自由に生きろ」というメッセージで生徒を育んでいく…なんてのはストーリー展開としてはベタベタなんだけど、僕が一番好きな展開。根底には異常なまでの「ロック愛」が充満していて、ジャック・ブラックが巨体をうねらせ跳ね上がりギターを弾く姿や、ロックに興味なかった生徒たちが、反骨精神とともにロックの神髄に目覚めていく様が見ていてめちゃくちゃ痛快。最後のバンドバトルの演奏シーンも感動的。ロック最高!

「スクール・オブ・ロック」

桜桃の味

cover「桜桃の味(1997年イラン/アッバス・キアロスタミ監督)」
自殺を決心した中年男が、ジグザグの埃舞う山道を車を運転しながら自殺を手助けをしてくれる人を探す。自ら掘った穴に入り死を遂げたあと、その穴を土で埋めてくれるように頼むわけだ。当然、誰もが不気味に思い拒否する。若いクルド人兵士も、アフガンの神学生も車を降りてしまう。そうやって物語は淡々と進む。しかし、その依頼を引き受ける老人が現れた。老人は、自らの自殺未遂体験を話し、死ではなく生について静かに語りかける。手助けをしてくれる老人の出現により自らの「死」への道が開かれたのに、老人は「生」について説く。中年男の心は…。というようなストーリー。あまりに淡々としているので退屈な人は寝てしまうかもしれないw。この監督らしい独特の手法の作品だなぁと思うし、哲学的(決して難解ではない)で玄人受けしそうな作品だとは思う。正直、見終わったあと「あぁん!?」という微妙な感想を持ったのですが、妙に印象が深いというか、「桑の実や桜桃が美味しい、だから生きている」とか「あの美しい夕焼けを、もう一度見たくはないのか」というようなメッセージは心に残っています。この映画を絶賛する人は非常に多いようですが、こうやってあらすじをつづっていくうちに、なんとなくその気持ちがわかってきたような気がしました。
1997年カンヌ映画祭パルムドール受賞。

早く観たい華氏911

MSN-Mainichi INTERACTIVE 映画

華氏911:「反ブッシュ映画」賛否過熱

大統領選まで5カ月を切った米国で、マイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画「華氏911」への賛否両論が過熱している。カンヌ国際映画祭で最高賞を獲得したのに、ウォルト・ディズニー社が国内配給を拒否。アカデミー賞監督でもあるムーア氏が腕を振るった反ブッシュ映画は、公開前から爆弾扱いだ。(以下略)

ボウリング・フォー・コロンバイン

cover「ボウリング・フォー・コロンバイン(2002年カナダ/マイケル・ムーア監督)」
アカデミー賞やカンヌなどいろんな賞を受賞した作品なので今更説明はいらないと思いますが、アメリカの銃社会について鋭くメスをいれ、カメラ片手にいろんな人にアポ無し取材にいくドキュメンタリー映画。近所のビデオ屋にいついっても貸し出し中だったのがやっと借りられました。
アメリカの歴史と現実、常に恐怖心が先行する理由、そしてショッキングな事件…。非常に見応えのある内容でした。マイケル・ムーアのジャーナリストとしての気概に溢れる視点、際どく鋭い行動力は素晴らしいと思います。今そこにある現実を真っ直ぐに伝えてくれた内容に、何か突き動かされたような気がしました。この事件で批判が集まったマリリン・マンソンが恐怖喚起アピールするメディアに強烈なメッセージを残したシーンはよかった。ファンになりそう…。
「……洪水、エイズ、殺人……メディアは恐怖と消費の一大キャンペーンをつくりだす。そしてこのキャンペーンは、人々を恐がらせることによって消費へと向かわせようとする発想に基づいている。その恐怖心が人を銃に向かわせるのだ。」
マリリン・マンソンを生み出したのは、まさしくアメリカなんですね。そして政府にすら影響を与えうる内容の映画が公開され、アカデミー賞まで受賞してしまうアメリカの“表現社会”もすごい。DVDで購入してもいいと思える作品でした。

ボウリング・フォー・コロンバイン公式サイト

渡辺謙と吉永小百合

スポニチアネックス 芸能 記事

女優・吉永小百合(59)の出演111本目となる主演映画「北の零年」(監督行定勲)のロケが21日、長野県上高井郡で行われた。観光名所になっている「水中(みずなか)のしだれ桜」をバックにしたシーンで、夫役の渡辺謙(44)が撮影に初参加した。
うおー知らなかった!桜の手前にセットらしきものが組まれていたのはロケに使うためだったのか…。

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聖闘士星矢

劇場版が現在上映中だという「劇場版 聖闘士星矢 天界編 序奏〜overture〜」
へーなつかしーと思ってサイトのキャラクター紹介ページを見てました。え!なに!?このヒトたちって13歳とか、そんな年齢の設定だったんだ?。ジャンプで読んでいたときは違和感なかったんだと思うけど、フェニックス一輝が15歳ってのはちょっとショックだ。

I am Sam

cover「I am Sam(2001年アメリカ/ジェシー・ネルソン監督、出演:ショーン・ペン、ミシェル・ファイファー)」
知的障害で7歳の知能しかもたない父親サム(ショーン・ペン)と娘のルーシー(ダコタ・ファニング)はまるで友達同士のように楽しく幸せな生活を送っていたが、ルーシーが7歳を迎えるとき、父親に養育する能力がないと判断されてソーシャル・ワーカーにより引き離されてしまう。優秀な弁護士リタ(ミシェル・ファイファー)に頼み込み、裁判でルーシーを取り戻そうとする…という話。サムの娘に対する愛情、彼の周りを取り囲む仲間たちの温かい応援、忙しくていつもピリピリしているがサムの思いに自分の息子との関係をダブらせて次第に心を開いていくリタ、一見冷徹に見えるが実は深い思いやりでルーシーの未来を心配する検事、そしてそして愛くるしい顔でサムに対して自分にどう接してほしいかを導くルーシーと、各キャラクターの個性、役回りは素晴らしく良くて心打たれました。笑いにも涙にも溢れた爽やかな感動を与えてくれる映画です。

迷宮の十字路

cover「名探偵コナン:迷宮の十字路(2003年)」
ずっと借りたかったのに常にレンタル中だったビデオが数ヶ月たってやっと借りられた。今回は京都を舞台に義経と弁慶といった歴史上の人物とクロスさせて物語が展開していく。複雑な十字路に隠される事件を追ってコナンと平次が大活躍。3Dもミックスしたバイクチェイスやマトリックス風味の殺陣シーン(!?)などやや作りすぎな感じもしなくもないけど映画だから仕方ないか。犯人そのものにあまり魅力がないけど謎解きの部分は結構面白かったです。

風が吹くまま

cover「風が吹くまま(1999年イラン=フランス/アッバス・キアロスタミ監督)」
珍しい葬儀の儀式があるというイラン北部の村へと取材にやってきたTV制作クルーのディレクター、ベーザードが体験する日々を描いたドラマ。危篤の老婆が容態を持ち直してしまうことで、クルーはなすすべのない生活を送ることになる。案内役の子供・ファザードや村人たちとの会話を軸に、暇を持て余すなかでの上司からの催促、仲間からの決断を迫られながら淡々と物語が進んでいく。ほとんどの会話は会話の相手が見えない。仲間である撮影クルーも声だけで最後まで一切顔がでてこない。上司の度重なる催促も全て携帯電話。ベーザードの一人芝居的な演技の中に、もどかしさと焦燥感がうまく表れていると思う。
ストーリー展開が淡白なので正直集中力が途切れてしまうところもあったが、この村で起こっている悲惨な現状がファザードが通う学校の先生によって深く語られている。先進国にすんでいる僕らには少々現実味のないものなのかもしれないが、人間の営みというか、本質的なものが描かれている気がした。全編にわたる自然の映像美は思わず息を飲む美しさ。
99年度ヴェネチア国際映画祭審査員グランプリ受賞。

知らなかった…

デフ・レパードが映画化されていたなんて…。ま、熱心なファンてわけではないので当時の記事とかよく見てなかっただけなんだろうけど。
「デフ・レパード/ヒステリア・ストーリー(2001年アメリカ)」
今日の深夜2:45からスターチャンネルで放映ですって。たぶん観ないけどちょっと観てみたい。てかめんどくさくてビデオとか録らないんですよね、我が家では。それにしてもなぜにデフ・レパード?しかも2001年に?

今夜はトーク・ハード

coverクリスチャン・スレーターが妻と喧嘩で頭部に20針を縫う重傷…。こりゃ切ない。C・スレーターはハリウッド俳優の中でも1、2を争うぐらい好きなアクターですが、最近の作品はあまり観てないな…。ここのリストには入っていないんだけど、個人的には1990年の「今夜はトーク・ハード」が好きでした(邦題がマズイ)。厳格なエリート校が舞台で、言いたいことがあっても為す術がない生徒たちの心を代弁するかのようなDJハード・ハリーの海賊放送は生徒達の間で熱狂される存在に。そのDJの正体は学校の理事の息子、普段は無口な優等生、マーク(スレーター)だった。そのラジオがきっかけで自殺者を出してしまい、彼は放送をやめるか、社会に刃向かうか苦悩するが…といった感じの内容。若くて熱血です。
あと、無口ぶりが最高の「忘れられない人(1993年)」も泣きの傑作。

座頭市

cover「座頭市(2003年/北野武監督、出演/北野武、浅野忠信、夏川結衣、ガダルカナル・タカ)」
待ちに待った北野武最新作、ベネチアやトロントで賞を受賞した話題の映画。前作「Dolls」ですっかり北野作品に魅了されてしまったけれど、この作品もとても素晴らしかった。たけし演じる市は居合いの達人の鋭い格好良さに、本人ともクロスするおとぼけ具合が見事にはまっていて、座頭市=勝新というイメージを良い意味でうち破り、ラストにはアッと驚く新しい座頭市が誕生している。一瞬で決着のつくスピード感のある生々しい殺陣シーン、随所に織り込まれたコメディセンス、感動と興奮を呼ぶタップダンス…。痛快とはまさにこのことだ!たけしスゲーかっこいい…と思ったら夜の「世界まる見え!テレビ特捜部」ではいつもの変装姿でギャグ連発(笑)。多才なアーティストに拍手。

ペレ

cover「ペレ(1987年スウェーデン=デンマーク/ビレ・アウグスト監督)」
19世紀末、老父とその息子が希望を求めてスウェーデンからデンマークに移民してきた。しかしそこに待ち受けていたのは描いていた夢とはかけ離れた過酷な労働と生活、そして人種差別。デンマークの美しくも厳しい大自然をバックに残酷なことが次々と、淡々と起こっていく、重くて暗い映画。自由の大地に向けて旅立つ息子が大雪原での父と別れるシーンは印象的。諸所に希望の光も見え隠れする、心に残る映画でした。

踊る大捜査線THE MOVIE 2

「踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」をやっと観にいきました。予想してたよりさらに面白くなってて、すごくよかったです。「踊る〜」らしいテンポのよいスピード感、緊張感とユルさ、キャラクターの個性の強さ、そして全ての場面にビッチリとちりばめめられた喜怒哀楽の度合いも満点。極上のエンターテイメントではないでしょうか。最高でした。また観たいです!

太陽は、ぼくの瞳

cover「太陽は、ぼくの瞳(2000年イラン/マジッド・マジディ監督)」
「運動靴と赤い金魚」ではひたすら家族愛を描いて感動を与えてくれたが、この作品は逆。盲目な息子が邪魔に思う父と、それに気づいている息子。なぜ父はそれほどエゴむきだしなのか、たしかに苦労も多くいろいろなものを背負ってはいるのだろうけど、感情移入できるだけの理由もない。ラストは救いがあるけど無理矢理っぽい。ちょっと残酷だ。

運動靴と赤い金魚

cover「運動靴と赤い金魚(1997年イラン/マジッド・マジディ監督)」
少年アリはお使いの途中、修理に出していた妹・ザーラの靴をうっかりなくしてしまう。家はとても貧しく新しい靴を買ってもらえそうにないので、両親に内緒でアリの靴を交替で履いて学校に行く。大人になってしまえば何でもないようなことが子供にとっては大きな悩みであり、それを何とかしようと兄妹が知恵をだして必死に生活していく姿がリアルでほほえましく、また涙を誘う。イラン映画は素人を起用することが多いそうで、この映画の出演者もほとんどが素人。でもその純朴な演技がとても素敵な輝きを放っていて見ていて清々しく感じた。とても貧しい家庭だが、その悲惨さを描いているわけではないところに好感がもてる。子供を通して様々なことが見えてくる奥深いドラマがある。

戦場のピアニスト

cover「戦場のピアニスト(2002年ポーランド・フランス/ロマン・ポランスキー監督」
徹底的に破壊されていくワルシャワの街、そんな絶望の中でひたすら生き延びることに希望を見いだすユダヤ系ポーランド人のシュピルマン。ナチスの虐殺が非常に生々しく、淡々と流れていくところに真実性が表れていると思う。
すごく重たく、切なく、衝撃的な作品。こんな時代だけに、改めて戦争について考えさせられます。劇場に年輩の方が多かったのが印象的だった。

シーズンチケット

cover「シーズンチケット(2000年イギリス/マーク・ハーマン監督)」
イングランド・プレミアリーグのシーズンチケットを手に入れるために2人の少年があの手この手で資金集めをする、というお話。ストーリーの背景には虐待や失業など深刻な社会問題をベースにしているため、全体的にシリアスタッチではあるが、仄かなユーモアやさわやかな感動があるハート・ウォーミングなストーリー。あのイングランドのスーパースター、アラン・シアラーも出ています。紅茶を飲みながらサッカー観戦がしたくなった。

Dolls

cover「Dolls(2002年/北野武監督、出演:管野美穂、西島秀俊」
北野武監督最新作。赤い紐でつながれた3つの愛の物語。芸術的な観点ではすごく好きなテイスト。夢幻的なストーリーはやや無理もあるけれど、衝撃的な結末、山本耀司の衣裳や日本の四季を幻想的に追求した映像の美しさはインパクトがある。北野武の世界観はシンプルながら筋が通っている。パンフレットの出来もこれまたよかった。

SHORT6

cover「SHORT6(2002年)」
短編映画6作品のコンピレーション。その中の「四つの部屋と六人の打楽器奏者のための音楽(2001年/スウェーデン/10分)」は抱腹絶倒の最高傑作。老夫婦の留守中に押し入る6人のスパイ風の怪しげな大人達。中に入ってやることは、部屋にある雑貨や家具で音楽を奏でること...。そのあまりにシュールでふざけたシチュエーションとマジメで完璧な演奏のギャップがとてつもなく不思議な異空間を作りだしている。こんなに腹がひきつるほど笑ったのは初めてかも。思わずリピートして観ちゃいました。機会があったら是非みてほしいです。

蝶の舌

cover「蝶の舌(1999年スペイン/ホセ・ルイス・クエルダ監督、出演:マニュエル・ロサーノ、フェルナンド・フェルナン・ゴメス)」
学校を怖がっていた8歳のモンチョは大好きな先生と出会い、様々な体験を通して成長していく。しかし、スペイン内戦という現実の前に、悲しい別れが訪れる…。クライマックスはかなーり複雑な後味なのだが、最後のセリフがめちゃくちゃジーンときて、いろいろ考えさせられる。果たして、モンチョの声は先生に届いたのだろうか。届いていて欲しいと強く思うばかり。衝撃的な作品だった。

アメリカン・ヒストリーX

cover「アメリカン・ヒストリーX(1998年アメリカ/トニー・ケイ監督、出演:エドワート・ノートン、エドワート・ファーロング」
人種差別をテーマにした超社会派映画。衝撃的なエンディングは、人種差別という根の深い問題がいかに救われないものかを表していてツラかった。タイトルの解釈はいろいろあるだろうけど、「x」という未知数を人種差別問題と捉えるならば、それを今後どう解いていくかの問題提示をしている。道徳映画としても、娯楽映画としても意義の深い映画。エドワート・ノートンが素晴らしかった。

アンジェラの灰

cover「アンジェラの灰(1999年アメリカ=アイルランド/アラン・パーカー監督)」
原作者であるフランク・マコートのアイルランドでの貧しい少年時代を描いた作品。大恐慌の1930年代の悲惨な時代、ニューヨークから祖国のアイルランドに戻った貧困の一家において父は酒に溺れ、母は啜り泣き、6人の兄妹のうち3人が死んでしまう。しかしそんな絶望的な状況の中でも、フランクは決して希望を捨てず、健気に、ひたむきに生きていく姿が感動を呼ぶ。至る所に織り込まれたユーモアがさわやかで、見た後は爽快にさえなる。フランクを演じる3人の子役の演技がまた、素晴らしかった。