それでもボクはやってない

cover「それでもボクはやってない」(2007年/周防正行監督)
法廷モノはいろいろ観ましたが、これはもう、大傑作でした。周防監督が3年かけて徹底取材したそうですが、いつ自分がそういう立場になってもおかしくないであろう痴漢冤罪という恐怖の災難、ゆがんだ社会と権力、裁判所・裁判制度の実態といったことが客観的に細かく描写されていて、驚きと絶望と空虚感とスリルの連続。147分という時間はあっという間。リアリティあふれる描写は息つく暇をあたえてくれませんでした。
痴漢の冤罪なんて、死んでも遭遇したくない状況に直面したとき、「自分はやってない」と主張して乗り切ろうとするパワーってどんなに大変なものか…、いや、むなしすぎて乗り越えられないかも。何回も大きなため息がでました。
理不尽だけど目をそらすことができない現実であり、怖い映画。だけど周防監督のすごいのは、映画としてまとめあげるエンターテイメント性ですね。

[ MOVIE ] Posted by hara at 2007年08月04日 22:15
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