Music Review : 2006年4月

KALMAH / THE BLACK WALTZ 【89点】

フィンランドのメロディックデスメタルバンド・KALMAHの4thは、パシ・ヒルトゥラ(key)の脱退という穴をどうカバーするかが注目していたが、よりギター・オリエンテッドな方向に比重を置くことでマイナス面を全く感じさせない素晴らしい仕上がりになっており、またそのクオリティの高さにただ驚くばかりだ。鋭い切れ味、禍々しさ、北欧民謡風哀愁美がバランス良く、特に#3「Time Takes Us All」などは劇的なイントロ、3拍子で突き進むザクザクっとしたリフ、キャッチーともいえるメロディで悶絶必至の超名曲だ。 全体を通して単調にならず、それでいてきちんと自分の土俵のなかでメリハリのある曲展開を繰り広げる構成力は、金太郎飴的といいがちだったこれまでの作品に比べてレベルアップしている部分で、もうひとつ上のステージにのぼるんだという説得力を感じさせる(H)。

TAXIRIDE / AXIOMATIC 【79点】