Music Review : 2006年3月

SOULRELIC / LOVE IS A LIE WE BOTH BELIEVED 【86点】

フィンランドから、またもや高品質なゴシック・メタルバンド登場!とお決まりのキャッチコピーがこのうえなく似合うSOULRELICデビューアルバム。HIM、TO/DIE/FOR、それからNEGATIVEに通じるキャッチーなメロディ、ノリノリなテンポ、哀愁とメランコリックなサウンド…とこの手のバンドに求める全ての要素を軽くクリアした、ゴシックメタルファン必聴の一枚。(H)

SILENTIUM / SEDUCIA 【77点】

KORPIKLAANI / VOICE OF WILDERNESS 【75点】

AMORPHIS / ECLIPSE 【86点】

メロディック・デスメタルシーンの古株・フィンランドを代表するバンドAMORPHISの約3年振りのリリースとなる通算7作目のアルバム。ヴォーカルが変わって新しい船出となったが、内容的にもそれにふさわしいスタートとなる充実作。前任者と声質がそれほど変わらないため違和感は全くないが、デス・ヴォイスはかなり復活していて、クリーン・ヴォイスと巧く絡めつつアモルフィス独特の民謡調サウンドを活かし、叙情美溢れるメロディックなデスメタル・ゴシックメタルを展開している。かなり表現力のあるヴォーカリストだ。#2「House Of Sleep」のようなキャッチーともいえる曲の配置もよい。この作品では、間違いなく「ELEGY」のころのファンを納得させるだけの説得力があるはず。(H)

NORTHER / TILL DEATH UNITES US 【81点】

SEX MACHINEGUNS / MADE IN AMERICA [DVD] 【85点】

ドキュメントDVD。マシンガンズがアルバム「MADE IN USA」をアメリカでレコーディング…きっと外国人とワイワイやりながら、楽しくハイテンションでやったんだろうななんて勝手に思っていたが、実際は無茶苦茶シリアスで張りつめた緊張感の中で行っていた。見ているこちらの胃が痛くなりそうなぐらいに。そこにあるのは忍耐、焦り、葛藤、すれ違い、そして妥協を許さない姿勢。ライブであれだけ素晴らしい一体感を生み出すマシンガンズも、ほころびがでたり目的意識の違いがあったりで悩んでいる。ANCHANGはそれを隠しもせず、時に嫌われ役に徹してでもメンバーにぶつけていく。音楽的にどんなに天才的な技術を持っていても、それだけではひとつの完成された作品を作り出すのはきわめて難しいのだと感じた。表側の部分で十分、という人は観なくてもよいけど、作り手の葛藤はこうなんだ!という部分においては、マシンガンズが好き嫌いに関わらず観て損はないと思った。結構感動した。