Music Review : 2005年6月

IN FLAMES / USED AND ABUSED... IN LIVE WE TRUST 【94点】

IN FLAMES初のライブDVD(+CD)各2毎組、計4枚という特大ボリュームのボックスセット。ライブ、PV、インタビュー、バックステージなどが収録、ボックスセット仕様も非常にかっこよい作りだ。数多くの名盤を生み出し、精力的にツアーをこなしているバンドの強固な結束力がここに全てそそぎ込まれているといっていい。何度かライブに参加しているが、IN FLAMESはそれほどテクニックやパフォーマンスが突出して優れているバンドではない。しかし、曲の素晴らしさはもちろん、場数を踏んできた経験値が蓄積され、観ていて非常に心地よく熱くなれる。DVDソフトの質としても音・映像とも臨場感たっぷりで、価格と合わせて満足度は文句無し!。ファン必携アイテム。(H)

ARCH ENEMY / DOOMSDAY MACHINE 【83点】

クリストファー・アモット脱退という衝撃的ニュースが流れ、バンドとしてまた新たな分岐点を迎えたスウェーデンの雄・ARCH ENEMYの6thアルバム。作品を重ねるごとに増していくヘヴィネスはさらに硬質度・鋭さを増した印象。特にギター・パートが前作より増えているのは嬉しい。前作ではARCH ENEMYの持つ強烈な個性が、泣きパートの現象という事実により薄れてしまった印象だったが、#1〜#3あたりの展開は鳥肌が立つほど素晴らしく、これぞARCH ENEMY!と膝を叩かずにはいられなかった。ところが中盤以降、秀逸なアレンジ・センスを持った曲やMEGADETHライクなメタルチューンなど重厚なメタルワールドが繰り広げられているにも関わらず、聴き終わってみるとイマイチ印象に残らない曲が多く、ひっかかりどころのない作品だなと感じてしまう。まぁ、ブルータル・メタルとしては一級品であると思うし、タイトル通り(?)、マシーンみたいな無機質な音は徹底していると思う。個人的には、やはり3rdあたりの「野獣の哀愁」みたいな雰囲気が欲しいんだけど。(H)