Music Review : 2005年2月

SOILWORK / STABBING THE DRAMA 【80点】

エクストリーム・メタルの代表格としていまやIN FLAMESとともにメジャーな佇まいを漂わせるようになったSOILWORK注目の6th。飛躍作である前々作「NATURAL BORN CHAOS」に比べ成長があまり感じられなかった「FIGURE NUMBER FIVE」、その後に続く作品なだけにかなり興味を持って接してみたのだが、正直あまりピンとこない。基本的にはここ2作の流れを汲んだ作風で、複雑なリズムもリフ、エモ風のメロディも全てにおいて完璧なSOILWORK印が刻まれていることは間違いないはずなのに、肝心の楽曲にあまり魅力を感じないのだ。このバンドの作り出す曲作りの方程式が肌に合わなくなったのかな?なんて思ってしまう。そんな中でサビメロがやたらキャッチーな#7「Distance」だけは無茶苦茶気に入りました。(H)

KAMELOT / THE BLACK HALO 【83点】

とてもアメリカのバンドとは思えない欧州的なドラマティック&叙情メロディが身上のKAMELOT通算7作目。「KARMA」、「Epica」につづくコンセプトアルバム3部作の最終章。「KARMA」に比べ「Epica」の仕上がりが断然好きだったのでコンセプトアルバムの締めくくりとしてどんな作品になっているのか興味深かったが、全体の印象としてはプログレ度/ヘヴィ度増量、メロ度後退という感じ。プログレ色が強くなったとはいえ取っつきづらいところまではいっていないだろうし叙情美と構築美のレベルの高さはシーン随一の実力を感じさせる。メロディは歌い回しが過去の曲に似ている部分が目立ってさすがに飽きてきたのかもしれない。コンセプト作の最終章としては文句ないと思うけど、メロ物足りない=印象が薄いという感覚が残ってしまったのが残念。(H)

サンボマスター / サンボマスターは君に語りかける 【82点】

熱い、暑苦しい。これぞロックだ。最初の印象がものすごくて鳥肌立って即買って聴いて、そして意外とはやく熱も冷めてしまったが、このバンドからはロックを感じる。日本にもこんな熱っぽいバンドがいたなんて驚き。(H)

ANBERLIN / NEVER TAKE FRIENDSHIP PERSONAL 【90点】

米フロリダ出身のモダンロックバンドANBERLINの2ndアルバム。デビュー作はオープニングの「Readyfuel」で一発KOを喰らったわけだが、アルバム全体ではやや印象の薄い作品であった。この2ndアルバムを1回流したときに感じたのは「キラーチューンがなくて、また地味かな」という感じであったのだが、何度か聴いているうちにこの音楽の奥ゆかしさに気づいてきた。デビュー作での最大の評価であった爽やかだけど軽くない空気感はそのままに、メロディの質や表現力が抜群にアップしている。1曲1曲が粒ぞろいで、アルバムを通しての満足度の非常に高い作品だ。透明感のあるヴォーカルのタッチが繊細な空気を生み出していて、甘すぎずくどすぎずで相変わらず気持ちいい。特に気に入ったのが#11「Dance, Dance Christa Pfgen」。ニューウェーブ風の味付けで爽やかに疾走していく後半部分なんて何度聴いても鳥肌が立つ。素晴らしい!(H)

SEX MACHINEGUNS / サスペンス劇場/イルカに乗って 【88点】

第4期マシンガンズ第2弾シングルは火曜サスペンスについて歌った曲。バンド自身初のストリングスを使うという試み。緊張感たっぷりのピッキングで進行するドラマティックなメロディをもった素晴らしい曲だ。聞き所はANCHANGのハイトーンヴォイス。終始高音のキーを駆使して歌いあげる男っぷりがすごい。ギターソロもツボついたメロディでイチコロです。#2「イルカに乗って」は80年代のLAメタルを想起させるパーティ・ロック。TWISTED SISTERの「We're Not Gonna Take It」に似ている。(H)